歌川広重の浮世絵 木曽海道六十九次の内 本山宿

広重 木曽海道六十九次/本山長野県塩尻市宗賀本山

本山宿は、木曽川の支流である奈良井川沿いに位置し、周囲を山々に囲まれた自然豊かな場所でした。宿場町としての機能だけでなく、木曽の特産品である漆器や木工製品の集散地としても栄え、宿場内には多くの工房が立ち並んでいました。また、本陣や脇本陣といった大規模な宿泊施設も存在し、高位の役人や大名も利用したことが知られています。

宿場町としての本山宿は、中山道を旅する人々にとって、一日の疲れを癒やし、次の目的地へと向かうための重要な拠点でした。旅籠では、温かい食事や快適な寝床が提供され、旅人同士の交流の場ともなっていました。

歌川広重の「木曽海道六十九次之内 本山宿」は、木曽路の険しさを際立たせた名作です。大きな松の木が道を覆い、旅人がその下で休憩している様子が描かれています。遠方には山々が連なり、夕暮れの薄明かりが幻想的な雰囲気を醸し出しています。この作品は、木曽路の過酷な自然と、それを乗り越えていく人々の姿を見事に表現しています。



浮世絵木目透かし多段彫りは、こちら